秀吉豊臣、
リンカーン大統領、
三島由紀夫、
と日本庭園の先生?
私は旅館の若旦那となって様々な分野の勉強をする事になりました。その一つは庭、つまり、日本庭園。もっと言えたら、その全てが庭。と言うのは、日本庭園とそれと外せない茶道、特に茶道の中の「茶室」は「音楽以外日本の文化の全てが入っている」。
その教えは私からではなく、庭師の小口基實先生からです。私が日本庭園の勉強の為に先生のお書きになった本「日本庭園の作り方」から始まりました。竹の割り方の様な単純な作業から滝の作り方まで様々日本庭園の事が親切に説明されているこの本に感動しました。庭を見る方の目線、喜びを取り入れた庭作りに関心もしました。
この本の教えに従いながら、亀清の庭師の岡田さんと一緒に露天風呂や客室の坪庭を作ってきました。
ところで、この間のテレビ取材で「この本を使っていますよ」と紹介しました。その事が本を書いた小口先生の耳に入ったらしいです。先生が長野県に事務所があり、先日はわざわざ亀清旅館まで足を運んで来てくださりました。
日本の庭師は一部が哲学者ですよね。結局、2時間半ぐらいの色んな話で盛り上がった。秀吉(茶室の文化)、三島(日本の失った武士道)、リンカーン大統領(どういう訳か暗殺者の打ち明け)、奥深い話に飛び入れました。
日本の心はもちろん、そしてアメリカ人の心も見えてきました。「日本人は知れば知るほど、専門家に任せる。アメリカ人は知れば知るほど、自分で作る。だからこの本を英語で出した。」と。
私は正にそう。
日本庭園。見る人の目線をどうするか。
感心しました。
小口先生、忘れられない一時を有難うございました!