長野「山岳高原リゾート」を世界レベルへ

2013.08.28: 青い目のおもてなし This American’s Omotenashi

長野県の「山岳高原を活かした世界水準の滞在型観光地づくり研究」会に呼ばれました。
過去の経験でこういう研究会は会議の為の会議で終わっちゃう恐れがあるが、
今回の研究員に私の憧れている観光地活性化プロの清水眞一(立教大学)と山田圭一郎(JTICツェルマット)、と星野リゾートの星野社長。
そして、どの観光地が世界基準に育つか決めるという明確なアウトプットがあったから参加しました。
まさかその先輩と同じテーブルに座れるか、
そしてそのどなたかと喧嘩になると思わなかった。

県の5年間計画で、ツェルマットやウィスラーのような登山もカンファレンス、両方ができるリゾートを作りたいと。

七箇所ふぁ応募した:
小諸市・朝浅間山
飯山周辺の信越高原
小谷村・白馬の隣の栂池及び川の向こう側の雨飾山、
白馬
大町・アリペンルート
松本・上高地
木曽町・御嶽山

決める基準:
独自の魅力
知名度
宿泊施設
長期滞在用の便利性
着地型体験
交通 (周辺との乗り放題パス)
マネジメント体制
そして、
タイラー's基準: ビジターセンターの有り無しや国立公園との連携

浅間山は先月に登ったからある程度詳しい。登山コースは2つだけ、世界基準にはちょっと物足りないと思った。リゾート関係は軽井沢になるけど、軽井沢はこの制度なくても成長しているから要らない?

飯山・信越は北アルプスにかなわないと、地元のリーダー役の方に言われた事がある。黒姫から志賀高原までってまとめられるか、不安。

小谷・栂池は独自の魅力というより、白馬の影にある。雨飾さんは設備が無くて。

白馬は冬にスキーのメッカ、夏は白馬連峰登山やアウトドアーアドベンチャー、魅力たっぷり。知名度も98年の五輪の影響もあり、高い方です。宿泊、飲食店、グルリンバス、長野駅や成田のバス、全ては良し。ビジターセンターを磨きたいぐらい。

大町はアルペンルートがあるが、ルートの三分の一は隣の富山県。冬と夏の魅力、知名度、宿泊や飲食施設の全ては白馬に近つかない。

上高地は槍ヶ岳や穂高連峰「別名:アルプスの銀座」という登山メッカ、宿泊施設は世界基準と違わない帝国ホテルから始まり、さまざまな施設やキャンプ場があり、自然ガイドが沢山いて、交通は松本・飛騨高山を連携するパスがあり、
問題は冬に基本的に閉じてある事。しかし、知名度は既に高いし、冬の運営さえ改善すれば素晴らしいリゾートになると思う。

御嶽山は浅間山より「山」として触れ合えるし、麓の開田高原があり、木曽馬やお蕎麦の文化、山の信仰、独自の魅力を持っている。しかし、山の「雄大」さ穂高連峰や白馬連峰に負けるのではないかとこの登山ファンの私に疑問が残っています。知名度にも問題がある様に感じます。白馬と上高地と違って海外の代表的なガイドブック「ロンリープラネット」と「ミシュラン」に載っていない。

という事で、タイラー's選択は:
1.白馬
2.(冬期を開放するとの条件で)上高地

しかし、議論の始まりである先輩が最初から「上高地はまず駄目。国立公園だから何も作れない」と言い出した。私がいくら議論しても、上高地がそれで下りられた。
まあ、上高地に隣の白骨温泉と乗鞍をセットしなかった応募者の松本市にも責任があるでしょうけど、しかし今回の制度は「何かを作る」という目的はあったのか?あるとしても国立公園だからこそ自然を守る施設を作れるように交渉が出来るのではないか…

結局、決められたのは
1.白馬・小谷村・大町のセット →広過ぎと違う?どうやってブランディングする?「北アルプス」になる?だったら、上高地まで広げても良いのではない?とにかく、ブランドはやはり「白馬」だと思う。
2.御嶽山 山の信仰と木曽街道で決められた。→良いけど、木曽街道は木曽川周辺で、山じゃない。今回は「山岳高原」の意味が薄くなっても良い?
3.飯山中心の信越エリア。→新幹線の駅が出来るの強みになるかどうかはこれから判明となるが、その辺の山は「登山」というより「ハイキング」ですよ。その一番高い山、志賀高原の横手山、の売りは?「北アルプスが見える」って事。だったら北アルプスにすれば良いのではないか?!

ちゃんとしたアウトプットのある会議に参加が出来、嬉しいと思いながら、私の意見を通せなかった悔しい反面もある。

上高地の応募文章の中で、「訪れた人々の人生を豊かにする場所である」って書いてあった。その面では上高地と白馬は間違えないその力があると思う。今回はその「ハート」の面より、更に深くの魂の面(御嶽山の信仰)まで行ったのは日本として珍しいと思った。これで良い結果が出る様に祈っております。