亀清旅館のオーナー、タイラーの読売新聞(長野版)のコラムは本日にまた掲載されます。今回のトピックはグレターツーリズムです。編集前の文章は下記です。プロの編集者に磨かれた版は今日の読売新聞にて!
The latest column by Kamesei Ryokan's owner, Tyler, in the Yomiuri Newspaper. The topic: Greta Tourism.
最近はグレタ・トゥーンベリの環境活動が話題になっているけど、私の旅館経営の経験から言えば長野県は進んでいる方だと感じる。温泉や物の再利用、二酸化炭素排出量の少ない旅スタイルで長野らしい自然の守り方が目立つ。
我が温泉宿で好評な行為が湯たんぽである。夜は寝る前でお風呂に入る時に温泉のお湯を入れる。地球温暖化のせいなのかこの冬は昼間が異常に温かいけれど、信州の冬はやはり寒いので、湯たんぽを布団の中に入れたら足元がぽかぽかになる。すごくアナログ的な事だが、地球にやさしいのでグレタさんはきっと喜ぶだろう。
上山田の温泉の成分が強いから難しいけど、温泉地によってお湯はお風呂以外にも役に立っている。熱交換で利用している宿もあるし、旅館業の中で有名なのは渋湯田中温泉の金具屋さん。温泉のお湯を館内に配管で通して、冬は宿の暖房になっている。
当館では暖房にロビーに薪ストーブがある。焚付に利用済みの割箸を、薪に周辺のりんご農家の剪定物をもらってきて、利用している。
りんご農家と旅館の間でもう一つの面白い「物の再利用」がある。以前に客室の畳を取り替えた時、古い畳を知り合いのりんご農場に持って行った。そうすると、リンゴの木の周りに置いた。しばらくの間は雑草を抑えるし、イグサは年数がたてば土になって、りんごの木の栄養になる。
信州は旅行のスタイルもグレタが納得できそう。特に、最近に発表されたジャパンアルプスサイクリングという事業で、3つのアルプスを周遊する800kmルートが注目。この戸倉上山田で2020年が「千曲サイクリングイヤー」だと(勝手に)宣言している。四季折々のライドを企画している。例えば2月はバレンタインデーの記念で、温泉から千曲川自転車道経由で隣の坂城町のチョコレート工場(直販売店)とワイナリー(見学とランチ)へ。
信州の温泉活用、物の再利用、自転車ツーリズムですでに環境を大事にしている。いずれにしても、長野県はグレタの大先輩のC.W.ニコルの活動が数年前からあったし、認識度が高い。有り難い。